ミステリアス

夕方のような女友達がいた。

夜の女ではなく、夕方。

ミステリアスだなって思ってた。

まるで、不思議な時間帯に迷い込んだような不思議な女友達だった。

彼女は髪の毛は短く、ボブ。

そして、黒。

大きめなピアスをしている。

そのピアスは彼女によく似合ってると思った。

彼女と話す時、いつも彼女が聞き役に回る。

私が恋愛の話しをした時、顔色を変えない。

そして、私が、恋はしてないの?と聞いても、笑顔で、縁がないのよと笑う。

大人だなと思った。

きっと私の預かり知らぬところで恋愛活動してるんだろう。

私の恋愛が子どもっぽくて、自分とは合わないなと思っているのかもしれない。

そんな私がたまに変に勘が鋭い時がある。

不倫か、セカンドやってるんじゃないだろうか。

だから、私の、恋愛してる?の質問にはぐらかしたのかもしれない。

私に言いたくないから、言わないのだろう。

時折、喫茶店から見える窓の外を見て黄昏れる彼女。

冗談めかして、「運命の相手でもいた?」と訊ねると、「私が思ってても、向こうは思ってないみたい。あの人もあの人も目もくれないわ」と笑う。

きっと彼女のセンスに、私の知らない恋人はやられたなかもな。

その彼が家に大切な人がいると知りながら、惹かれてる。

まあ全部私の想像の話し。