月光

林完次の月の写真を集めた写真集です。

夜、会社の帰り道、電車が来るのにまだ時間があるなと思い、駅のなかの有名どころの本屋さんに行った。

始めは雑誌をパラパラと見ていたのだが、横のとある一角が気になって覗いてみると、風景の写真集が並べられてあるスペースがあった。

仕事の疲れからフッと開放されたいと思い、そちらに足を向けると、色んな写真集が並べられていて、へえ、こんなのあるんだと眺めていた。

その中の一つにこの写真集があった。

春夏秋冬の月とその風景を映した写真集は、心が疲れている時にありがたい。

購入してしまった。

昔、イタリア人の知り合いに月の写真を見せたら、その人から月の入った風景の写真がお返しに来た。

見てみると、同じ月の写真でも、大分趣きが違った。

日本と海外では感じ取るセンスが大分違うらしい。

月のイメージがガラッと違うことに妙な感心を覚えた。

この月光という写真集は、日本人のセンスだったんだなあとカルチャーショックを受ける。

月って不思議だ。

場所や時間によって印象がガラリと変わる。

しかしながら、どれも月である。

月光の写真集を見て、私はますます月の魅力にハマっている。

写真集に関係なく、私の好きな月のシーンは、春の夕方、夕げの匂いのするなか、日が伸びた薄紫色の空に、ぼんやりと舟の様に浮かぶ月である。

神秘的でなんか好きなのだ。