司馬遼太郎著です。
モンゴル帝国時代のファンタジーの入った歴史小説で、ペルシャ高原で戦っているモンゴル軍の司令塔ボルトルとボルトルの暗殺を頼まれるペルシャの幻術師アッサムの間で彷徨う美しい姫ナンのお話し。
ただ、ナンはボルトルのことを苦手なご様子で。
人間誰しも自分の好きではない、もしくは生理的に受け付けない人に好かれるという経験はあったりするんじゃないでしょうか。
そして、その人と結婚するとなったら、気が滅入ってくるのも少なくないはず。
そんな時にふと、自分を違う世界、快楽を満たしてくれる人が現れたら、そちらに心動くことがありませんか。
ただ問題なのは誘惑している相手の裏側に政治的な匂いがすることですよね。
アッサムは、ボルトルの命を狙っています。
どうやって暗殺を成功させるかと考えたら、恐らく相手の泣き所を突く訳で、そうなると、ナンのことは当然計算に入りますよね。
しかし、アッサムは、美しい姫ナンのことを全く持って心惹かれなかったのか。
快楽はナンだけのものだったのか。
この作品は司馬遼太郎の幻のデビュー作と言われているそうです。
私は漫画で読みました。
毎週連載を楽しみにしていました。
ご興味ありましたら、異国の物語に心馳せてみてください。