恩田陸著です。
面白かった。
歩行祭という昼夜一日歩くイベントで、そこで色々なことが起こります。
そこで起こる謎も私は好きだったのですが、高校生の心情が好きでしたね。
貴子という高校生の女の子が、とある秘密を抱えてて、高校生活最後の歩行祭で、賭けに出るのですが、その時の心情とか、なんとなく好きでした。
友達にすら言えなくて、ましてや、みたいな葛藤ですかね。
そして、ゴールは近付いて来てしまうのに、気ばかり焦るみたいな。
この本が出版された時期って、携帯電話が流行っていた時期だと思われるのですが、その描写は一切ありませんでした。
なんとなくそこに好感持ちました。
携帯電話が出てこないことにより、この作品に出てくる高校生たちの空気感がよりリアルに感じられました。
私は恥ずかしながら、高校生の時には、ほとんど友達がおらず、浮いておりました。
だから、こんな風に、友達と最後の歩行祭だから、と仲良く過ごせるなんて、とても羨ましいと思いました。
きっと彼らは高校最後の歩行祭のことは一生忘れないだろう。
それくらいの奇跡起こってる。
もうちっと私も友達いたらな。
二度と戻らない青春時代だけど、彼らの青春を疑似体験出来たから、良かったな。