「おお!久しぶり!どうした急にランチ誘ってくるとか」
「いや、用事ないんだけどさ、豪快っぷり聞きたくて」
「何それ、豪快って。普通っしょ」
「ところで、あのエッセイ読んだ?」
「読んだよ。なんかたんたんとしてるね。穏やかな日々みたいな」
「たんたんかあ。あの話題の少年漫画読んでる?私、読んでてさあ」
「読んでる。周りが面白いって言うから、カードで大人買いしたったわ」
「すげえ…。感想は?」
「始めは何読まされてるんだって思ったけど、絵が雑になってきたところから面白くなって一気に読んだ」
「表現独特やなあ…。総括すると?」
「続き買うと思う」
「あの子に会ったよ」
「ふーん」
「興味ないのかよ!共通の友達たちにどうしてるって聞かれるけど」
「どっちでもいいじゃん、どうせ元気に暮らしてるでしょ」
「そりゃあまあ、そうだけどさあ。私、あの子、恋人いると思うね。あのメンタルの安定感は絶対そう」
「そういうあんたはどうなの」
「いや、見て分かるっしょ。安定の恋人いないやつよ」
「ははは、そっちのが笑えるー」
「酷いなあ。たまにブラック出るよね。さて、そろそろ店出ますか。あ、割り勘よな。小銭…」
「小銭いらないから、私、お会計しとくわ」
「えっ、いいの?」
「多めに出しとく」
「金持ちすげえ…」
「茶化すなよ」