双頭の鷲

佐藤賢一著です。

私、この本、勘違いしてたんです。

フランスを舞台にした恋愛物だろうと思ってたんです、勝手に。

冒頭読んでて、あれ、これ、戦ってるぞ…?と、勘違いしていたことに気付きました。

図書館で2度ほど借りて、2度ほど挫折しました。

3度目の正直で今回読み切りました。

なかなかスペクタクルでした。

中世フランスで軍神と呼ばれたベルトラン・ドュ・ゲクランの生涯を綴った物語なんですが、面白かったです。

ベルトランは、王太子シャルルとタッグを組み、実力を発揮していきます。

しかしながら、戦については天才的なのに、それ以外はからっきし。

幼児性が抜けきらないんです。

修道士エマヌエルや戦の天才モーニなどが、ベルトランの支えになっています。

ベルトラン、悪戯が好きみたいで、からかって相手の反応を見ていたそうです。

彼が言うには、悪戯の反応で相手の実力がどれくらいか分かるらしい。

すげぇわ。

もっと不思議なのが、もう一人の戦の天才グライーの存在ですね。

ベルトランはフランス、グライーはイギリスの人です。

負けたくないから、普通あんまりライバルと仲良くならないじゃないですか。

この二人、酒飲みに行くんですよ、意気投合して。

それでも、敵同士なんですよ。

武人だから、斬り込み合いになってもおかしくないのに。

天才同士だから、分かり合えることもあるらしい。

私としては、占星術師ティファーヌのベルトランへの献身が好きだったな。

面白かったです。