宮城谷昌光著です。
重耳というのは人の名前です。
晋という国に生まれて、国を追われ、19年流浪の旅に出て、彼は後に中華の覇者になります。
物語は重耳のお祖父さんの代から始まるのですが、晋という国がどうやって出来たのかも書かれています。
重耳のお祖父さんはすごい君主です。
先の先まで見据えていて、例えば、中華を制するのは、一代では無理だから、二代、三代と見据えて動いてらっしゃる。
人を見る目もおありで、先のことを考えて、若い家臣も使ってらっしゃる。
そんな中で、重耳のことは可愛かったご様子です。
抜きん出て頭が良かった訳でもなく、どちらかというとぼんやりとしていた重耳ですが、人には好かれていた様です。
特に家臣に恵まれ、更には天恵にも恵まれていた。
孝行心も篤く、身内からの暗殺者にも面会したとか。
読んでて、えっ、会うの?!って、驚きましたよねえ…。
読めば読むほど、重耳は不思議な人だなあと思う。
君主になりたくてなった感じはしなかったし、周りが、君主になってくださいよ!と言われ、渋々動く感じ。
こんな覇権の取り方もあるんだと大分驚きましたよね。
まあでも、最後の方は重耳から少し野心を見て取れるのですが、マジであんまり欲のない人でした。
読後、達成感が。
しかし、歴史小説長かったよ…。