無影燈

渡辺淳一著です。

この作品の存在はなんとなく知っていました。

無影燈をベースにしたドラマ白い影が放送されていた時に、ちらっと見ていたから。

本格的に本を読んだのは、今回が初めてでした。

病院の、医師と看護師の恋愛モノなんですが、尊厳死にもなんとなく触れられている。

しかし、人は何故恋をするのでしょうか。

私も恋愛してきたつもりだったのですが、小手先だったのかなと思わされてしまった。

人は相手の気持ちが読めないから、邪推してしまうし、悩んでしまう。

相手の立場を考えられず、悩む。

なんか孤独を感じるんですよね。

男の孤独。

私、続きがすごい気になって、本を離すことがなかなかできなかった、好奇心丸出しで、下世話だと思いながら。

謎が多くて、始めは何だろうなと思っていました。

最後に男側の考えが分かるのですが、それはそれで切ない。

恋愛って何だろうとつくづく思う。

明日への活力!とか、キュンキュンしたい!みたいな恋愛も確かに恋愛で、そのいい部分だけを得て、頑張れるならばそれでいいじゃんと思ってた。

相手にのめり込むというのは、そんな簡単な感情では済まないのかもしれない。

だから、色恋の殺傷沙汰があるわけで…。

そんな身を滅ぼしてまで恋愛するって一体どういうことなんだろう。

読後、嵐が過ぎ去ったような喪失感あって、私は恋してたんだなあと気づく。