その子のことは、女友達とは言わないだろう。
一時期、飲み会に行くと、必ず会う女の子がいた。
知り合いとも言えないと思う。
ただその場に居合わせた、同じ空間にいただけの女の子。
可愛らしい子で、栗色のサラサラした髪をクルクル巻いていて、メイクも雑誌で研究したのだろうなあという感じ。
言うなれば、ザ・女の子ですよね。
当然、彼女はおモテになられます。
一度、いいなあと思った男の子が彼女の方に行き、ブルータス、お前もか!と劣等感に苛まれていた私は、思わず、ローマ帝王が言ったとされるセリフを心のなかで呟きましたよね。
手のひらギュッと拳、作ったわ…。
一時期、飲み会で見掛けていたのですが、一対一で話したことはほとんどなく。
気になる人ではあったのですが、私も若くて、かつ、コンプレックスを抱いていたので、話し掛けることはありませんでした。
ただ、思ったのは、結構理想高い…?
それとも、モテるから同時進行?
いや、ちょっと意地悪な見方ですね、ごめんなさい。
さてさて、その子もその内見掛けることもなくなりました。
いい人が見つかったのか、それとも、主戦場を変えたのか、全く分からないけども、ただ、百戦錬磨の彼女でしたねえ。
武勇伝聞いてみたいし、何なら今何してるのか気になる。
謎の美女やったなー。