ムジカ・ピッコリーノ

それは何気ない日常からやってきた。

私の環境に小さな子どもがいて、影響で、教育番組を観ることになって、その子たちと一緒に観ていたが、私は流し見だった。

金曜日、夕方、それは突然、私の視界に入った。

まだ10代だろうと思われる若者と、私と年が近いと思われる演奏者が往年の名曲を演奏していた。

子どもたちと遊ぶ手が止まり、観る。

今までは気にも留めなかったのに、何故かその時は意識がそちらに向かう。

視界に入る前は、どうせ流行りの歌とか、自分たちの作った歌、歌うんだろうとそう思っていた。

違った。

色んな曲を紹介していた。

海外や日本の民謡、アイドル、バンド、ありとあらゆる曲をやる。

私がこの番組を意識した曲は、とある外国の民謡だった。

色んな曲に興味のある私は、「すげえぇ…」と思った。

そこから金曜日、夕方になると、ソワソワする毎日が始まった。

しかしながら、最近は観ることがなくなってしまった。

この番組は、演奏だけではなく、音楽の解説のようなこともしていて、歌詞や曲の説明やどういう技法が使われているのか、説明もしている。

何故観なくなったのか。

決して、その説明が嫌だとかそういう訳では無い。

ただ単に私の変なこだわりで観るのを遠慮しているだけである。

なんなら、この番組は今でも気になっているし、CDも持っている。

明日は休みという少しふわふわと浮ついた夕方に放送するちょっぴり不思議な番組は、今も好きである。